タイムマシン
この時間を移動できる装置、これがあれば、
よくない出来事を回避させられる。歴史が変
わるかもしれないが、よい方向に変わるので
あればそれでもいいのではないか。少々の犠
牲を伴うかもしれないが、仕方ない。
物は試しだ、使ってみよう。移動して、何
もせず、すぐ戻って、影響を確認すればいい
ではないか。
では早速、自分の記憶がある幼稚園くらい
で試してみよう。
失敗なのか。起動してみたものの、変化が
ない。いや、どうも手足の感覚がなくなって
いる。手足そのものはまだあるようだ。全身
の感覚がなくなってきた。周りの音も聞こえ
ない。目も見えなくなってきた。意識が・・
・。
彼の姿が完全に消えた。
「どうかした?」
「・・・」
「いくよ。」
「うん。」
幼稚園ぐらいの子が、友だちと遊んでいる。
タイムマシンを作った本人の子供時代のよう
だ。彼は一瞬違和感を感じたものの、特にそ
れ以上のものは何も感じなかった。そして、
彼には現在移行の記憶はなかった。