カテゴリー: 日記

  • 初めての金継ぎ

       初めての金継ぎ

     パートナーのお気に入りの箸置きが割れま

    した。しばらく放置されていたのですが、ど

    うやら金継ぎをして欲しそうなそぶりです。

    金継ぎはやったことがないし、そもそも漆を

    どこで手に入れたらいいのかわかりませんで

    した。とりあえず東急ハンズへ行ってみると、

    売ってました。漆はそんなに高くはなかった

    のですが、金継ぎする金泥と言われるものが

    結構値が張るものでした。代替品として、真

    鍮泥があるそうですが、東急ハンズにはあり

    ませんでした。ネットを調べると売っていた

    ので買い入れました。

     まずは接着するための麦漆作りです。薄力

    粉、水、生漆で作ります。薄力粉を練って耳

    たぶぐらいの硬さになったら、水に入れて揉

    み澱粉を抜きます。はじめは溶けてしまうん

    じゃないかと心配でしたが、逆に固くなりま

    した。それに生漆を混ぜていきます。麦漆が

    糸を引く位が良いそうですが、なぜか焦って

    しまい、糸を引く前に接着に使ってしまいま

    した。筆で塗るようなことを書いてあったん

    ですが、固くて(当然です。気が早すぎるの

    です。)爪楊枝で接着面になすりつけて、ぐ

    いと接着させてみたら、なんとなくひっつき

    ました。そして二週間放置しました。結構し

    っかりと接着できたように思います。次に砥

    の粉、水、生漆で錆と言われるもので、小さ

    な欠けを埋めました。そしてまた二週間放置

    します。そして下地に生漆を塗って二週間放

    置します。そして黒漆を塗って真鍮泥を蒔く

    作業の時、3時間置いたら乾きすぎました。

    真鍮泥がうまくつきませんでした。紙やすり

    で削って(これができるから失敗しても安心)

    もう一度。今度は黒漆を塗って30分ほどで

    真鍮泥を蒔き、3時間(半日以上おいたほう

    が良かったかもしれません。)ほど放置しま

    した。はみ出た部分は水洗いで取れました。

    いよいよ最後の透漆で固める作業です。生漆

    を練って練って、白濁が消えるくらいになっ

    たところで、真鍮泥を蒔いた部分に塗りティ

    ッシュですぐに押さえるようにして余分な漆

    を取ります。なんとなく金継ぎらしいものが

    出来上がりました。パートナーも初めてにし

    ては上出来きと褒めてくれました。

     ちなみに漆を塗る時の筆ですが、使い終わ

    った後は油で洗って、さらにテレピンで油を

    洗いとり、乾かすとありましたが、テレピン

    の購入をパートナーに断固拒否され、代わり

    に、食器洗い洗剤を使いました。最後に水洗

    いをして乾かして何度も使いました。また、

    真鍮泥を蒔く時真綿ではなく、化粧用の筆を

    使いました。

  • 固定電話

       固定電話

     私の家には固定電話はありますが、ほぼ使

    っていません。私の母と、パートナーの両親

    と電話する時にしか使っていません。そもそ

    も、そのためにしか置いていません。母は携

    帯電話やタブレットを使おうとは思わないら

    しい。どう使っていいかわからないし、仲の

    いい人からも固定電話で連絡が来るとのこと。

    ネットで調べるよりテレビのコマーシャルか

    ら情報を得ています。歳をとるとそうなるの

    だろうか。でも年配の方でも携帯やタブレッ

    トを使っている方もいらっしゃいます。ただ

    お話を聞くと、カメラとしてお使いになって

    いたりします。チャットはよくわからないか

    ら、娘さんに見せてもらうらしいです。使い

    方も娘さんに聞いて使っているらしいです。

    教えて貰えば使えるのだなと思いましたが、

    教えて欲しい時にそばにいないと、使わずに

    そのまま放置という絵面が見えてきます。そ

    んな絵面を想像すると、母世代がいる限り固

    定電話はなくならないだろうなと思います。

  • たずね猫のチラシ

       たずね猫のチラシ

     近所のさくら猫の一匹が失踪して、一週間

    になりました。お世話している方によるたず

    ね猫のチラシがはられ出しました。そこで初

    めて気がついたのですが、相棒の猫の名前に

    小さいツが入っていました。今まで小さいツ

    をいれずに名前を読んでいたので、申し訳な

    く思い、猫に謝り、呼び方を変えるようにし

    ています。しかし、猫のそっけない態度は変

    わらず、チラ見するだけです。気にしてなか

    ったようです。それとも呆れられたのかもし

    れません。どちらにしても、態度は変わりま

    せんが、正しいと思われる名前で呼ぶように

    しています。人間もニックネームと言ってい

    ろいろ読み方を変える場合もあるので、それ

    ほど気にすることはないのかもしれません。

  • 梅雨2024

       梅雨2024

     今年の梅雨入りは例年より遅いらしい。梅

    雨入りが遅いからといって、梅雨明けが遅く

    なるかというと、そうではないらしく、七月

    の中旬までには明けるようです。また、期間

    が短いからといって雨量が少ないかというと

    そうでもないらしく、逆に多かったりするよ

    うです。なので今年は雨による災害に注意が

    必要とのことです。気をつけます。

  • さくら猫の失踪

       さくら猫の失踪

     ボランティアでお世話をしている方の話に

    よると、先日の雨の日から、近所にいるさく

    ら猫のうち一匹が、餌の時間になっても現れ

    ないらしい。その子はアレルギーがあるらし

    く薬を塗ってあげないといけないそうで、と

    ても心配していらっしゃいました。私のパー

    トナーもその子のファンなのでとても心配し

    ています。もう一匹も心配しているのか先日

    の朝、いつもはそんなことはしていないのに、

    にゃーにゃー鳴きながら周辺を歩き回ってい

    ました。ところが突然立ち止まり、何をする

    のかと思いきや、歩道の植木で爪研ぎを始め

    ました。それでも鳴き続けているので、なん

    ともおかしいような、哀れなような不思議な

    気持ちにさせてもらいました。無事に戻って

    きますようにお祈りいたします。

  • 命日

       命日

     父の命日が近づいてきました。お坊さんを

    呼んだ葬儀をせず、お別れ程度の簡易なもの

    で済ませたので、お坊さんを呼んだりはしま

    せん。また、墓を作らず、海洋散骨をしたの

    で、墓参りはしません。その替わり海洋散骨

    したあたりの海が見える場所を訪れようかと

    思っています。何もしないからといって罪に

    問われることはないのですが、周りの情報に

    私の感覚は影響を受けているようです。その

    情報から外れた行為に気持ち悪いものを感じ

    てしまいます。そんな感情しか抱けない自分

    をとても薄情な人間に想います。これから先

    命日が訪れるたびに、この思いを抱き続ける

    ことになるのでしょう。そのことにさえ特に

    強い感情を抱けません。これが私なのでしょ

    う。父を憎んでいたわけではありません。感

    謝しているかといったらそれも違います。こ

    の漠然とした感情は何なのでしょう。思い出

    すことといえばいい思い出はありません。で

    も、父の愛情を感じなかったわけではありま

    せん。むしろ強い愛情で育てられたと思いま

    す。成人して家を出るまでは父を嫌っていた

    かもしれません。自分の子を持ち、同時期に

    私は大病を患い、父への見方が変わったと思

    います。大病といっても、目立った後遺症は

    ありませんでした。しかし、それまでのよう

    には体や頭を使うことはできなくなりました。

    仕事では、出世といわれるものからは完全に

    外れましたが、家族を養うには事足りていま

    した。

     父は、私が小学校低学年だったころ交通事

    故に合いました。その影響で、私が中学にな

    るまで、入退院を繰り返していました。生活

    保護も受けていました。そんな状況に父は焦

    燥感を感じて、いらだっていたように思いま

    す。時々どうしようもなく荒れてました。今

    思えば、それは私たちへの愛情から来るもの

    だった思います。

     そんな父を思いながら、実家に帰って命日

    を過ごそうかと思います。

  • カッターレース

       カッターレース

     先日、息子のパートナーがこのレースの関

    係者ということもあり、見に行きました。息

    子も学生時代カッター部に所属しており、一

    度だけレースを見に行ったことがあります。

     息子曰く、カッターとは船に搭載される救

    命艇の一種らしいです。船に関心がなかった

    のでピンと来ませんでした。カッターレース

    はその船にクルー6人、艇長1人、艇指揮1

    人、計8人が乗り込んで競争します。クルー

    の方がオールを持ちます。

     救命艇というだけあって、船は8人乗って

    も余裕があります。カヌーのようなスピード

    感はあまりありません。でも、乗員が一丸と

    なって、艇を進める姿は見ていて気持ちいい

    です。特に艇指揮の方の掛け声と、クルーの

    方の息があった姿は素敵です。6本のオール

    がそろってのびやかに艇を進める光景は見あ

    きませんでした。

  • 立夏

       立夏

     二十四節気では5月5日から5月19日あ

    たりを「立夏」と呼ぶようです。今まで知りま

    せんでした。この時期、ケヤキや桜の葉が茂

    りだし、

    「草萌えるっていうのかな。」

    なんて暢気に思っていました。気になってネ

    ットを調べると「草萌える」の「萌える」は

    草の芽が生え出ることをいうそうで、初春の

    季語らしいです。勝手に思い込んでいて、

    とても恥ずかしい気分でした。そもそも、木

    の葉は草ではありませんでした。

     それにしても立夏の時期は、日差しは暖か

    く、そして風は爽やかで、外でサックスを吹

    くのに最適です。木々の緑もまだ柔らかい色

    で、見ていてとても癒されます。薔薇の花も

    咲き誇りいい香りを漂わせます。いつも通る

    道なのに、木に今まで気が付かなかった白い

    花が咲いていました。名札がついていたので、

    覗き込んでみたら「エゴノキ」と書かれてい

    ました。可愛らしい花で、今まで気が付かな

    かったことがとてももったいなく感じました。

    もっと周りに気を配り、いろんなものを見逃

    さないようにしていきたいと思いました。

  • ゴールデンウィーク

       ゴールデンウィーク

     ゴールデンウィークは子供が小さい頃は、

    パートナーの実家と私の実家に行くことが恒

    例行事でした。移動手段は自家用車でした。

    公共交通機関では子供が退屈してしまい、か

    わいそうな気がして、それから、周りの目を

    気にして、自由にさせてあげられないので、

    移動手段はもっぱら自家用車でした。自宅か

    らパートナーの実家までは通常2時間くらい、

    混んでると4時間近くかかることもありまし

    た。自宅から私の実家へは通常4時間くらい、

    混んでると6時間くらいかかります。両方を

    往復すると結構疲れました。

     おむつの取れない時期は、移動中でもおむ

    つが変えられるように、それから、子供が横

    になれるようにと、車は車内の広いワンボッ

    クスカーでした。助手席からの移動もしやす

    いタイプだったので、結構重宝しました。

     ゴールデンウィークといえば、ゆっくり休

    むというより、長距離を運転することのスト

    レスでちょっと憂鬱でした。

     今では子供も成人して、自分の時間を大事

    にするようになったので、一緒に実家に行く

    こともなくなりました。おかげで私は好きな

    ことに時間を費やせるようになりました。寂

    しいような、嬉しいような、なんだか不思議

    な気分です。ゴールデンウィークという同じ

    言葉で表されるのに、その言葉が引き連れて

    くる感情が、生活環境と共に変化するのはと

    ても面白いです。自分でさえ、環境が変われ

    ば、言葉の持つニュアンスが変わるのに、ま

    してや他人をやです。人間関係のすれ違いは

    こんなところから起こるのでしょうか。気を

    付けます。

  • 福田平八郎展

       福田平八郎展

     先日、福田平八郎展に行きました。モネ展

    も開催されていてそちらは文字通り長蛇の列

    でした。洋画も嫌いではないのですが、作家

    によります。ビュッフェだったら並んだかも

    しれません。

     福田平八郎展はとても素敵でした。自称

    「写生狂」と言っているように、対象を緻密に

    描写されていました。まさに日本画というも

    のもあれば、モダンアートのような対象のフ

    ォルムをデフォルメしたような作品もあり、

    写実なのに抽象画のような感じのものもあり、

    不思議な世界を味わってきました。中でも竹

    の写生時のコメントが刺さりました。細かい

    ところは忘れましたが、

    「日本画で竹は緑青で描くが、写生をしてい

    て一度も竹が緑青に見えたことはない。」

    というようなものだったと思います。パート

    ナーも気に入って、何度も口にしていました。

     既成概念にとらわれず、自らの感覚を研ぎ

    澄まし、対象をとらえようとする精神力に感

    服いたしました。

     当日は「漣」がレプリカでした。そのため、

    800円割引のおかわりチケットをいただき

    ました。それで先日再度見に行きました。本

    物と思ってみているせいか、レプリカの時よ

    り線の微妙な濃淡が違うように見えました。

    比べてみているわけではないので、気のせい

    かもしれませんが、本物を見ることは作者の

    繊細な表現に触れることができるように思い

    ます。実物を目の当たりにできることは本当

    に幸せなことだと思いました。